20220625

 

 

とらドラ!』の、特にさん?よん?巻以降のUFOがうんたらと言い始めて星が爆発して心臓が血を流してなんやかんや、という、キャラの心情がドライブしてスパークしていく描写が好きで、こんな文章書く人そうそういなくて、そんな文章を書く竹宮ゆゆこという作家が好きなんですが、『あれは閃光、ぼくらの心中』は竹宮ゆゆこのそういうところが前面に出てきてました。ドライブしすぎてつまりどういうことなのか分からん、という場面も多々あったんですけど。そういう意味ではロックバンドの「何言ってるのかわかるようなわからんような感じだけどなんか気持ち良い歌詞」に近いものを感じる。そもそもこの作家の最近の作品には、物語としてどうこう、キャラがどうこう、という点で特別に良いとはあんまり思ってない(この辺は一般文芸で書き始めてからよりも『とらドラ!』の方が読みやすいという点でよくできてる気がします)。

あと歌詞の話をしたけど、リズムや語感だけでなく、音楽に対する描写からも音楽への絶大な信仰を感じた(これで「いや、音楽別に興味なくて……」とか言われたら、それでよくこの文章書けるなあと逆に感心する。音楽好きじゃなかったらこんな文章書かないでしょ!)。

 

これどういう企画立てたらこの作品が出来上がるのか担当編集に聞いてみたいなと思うのはたぶん職業病ですね。本読むとすぐこれだしさっさと仕事辞めたいけどなんか辞めてる未来が見えない。